ペットビジネスとは?
市場規模から将来性、主な種類、起業方法まで徹底解説
犬や猫を「家族」として迎え入れる人が増えたことでペット関連の市場は成長を続けています。ペットフードや日用品の販売にとどまらず、健康管理やライフスタイル支援など事業の幅は年々広がりを見せており、新規参入を検討する企業にとっては見逃せない分野です。
本記事では、ペットビジネスの市場規模・将来性・代表的な事業の種類・起業の具体的な手順を詳しく解説します。ペットビジネスへの参入を考えている方はぜひ参考にしてください。
ペットビジネスとは
ペットビジネスとは
ペットビジネスとは、動物の飼育をサポートする商品・サービス全般を扱う事業の総称です。ペットフードの製造・販売、トリミングサロンの運営、動物病院での診療、しつけ教室の開催など事業領域は幅広く存在します。
最近ではペット保険やプロによる写真撮影、亡くなった後の供養サービスなど、飼い主とペットの生活の各段階を支える事業も増えています。
ペットビジネスが注目される背景
ペットビジネスに注目が集まる理由として、ペットを単なる愛玩動物ではなく「家族の一員」と捉える価値観が社会に根付いたことが挙げられます。一人暮らし世帯や高齢者世帯が増加するなかで、ペットが日々の生活における心の支えとなるケースも珍しくありません。
こうした意識の変化にともない、飼い主はペットの食事や健康により多くのお金をかけるようになりました。品質にこだわったペットフードや充実したサービスへの需要拡大がビジネスとしての魅力を高めています。
ペットビジネスの市場規模と将来性
ペットビジネスの市場規模と将来性
ペット関連市場は拡大傾向にあります。矢野経済研究所の調査によると、2024年度の市場規模は1兆9,108億円(前年度比102.6%)を記録する見込みです※。
また、2025年度は1兆9,257億円(前年度比100.8%)まで拡大すると予測されており、堅調な成長が続く見通しとなっています。
成長を支える要因としては、高品質な商品を求める消費者意識の高まりや関連サービスの多様化・高度化が挙げられています。
ペットのいる暮らしゾーン
※ペットのいる暮らしゾーンは「雑貨EXPO」内の展示エリアです。
ライフスタイル Week
代表的なペットビジネス15選
代表的なペットビジネス15選
ペットビジネスの形態は、生体の販売から各種サービスの提供、物販まで様々です。以下では、代表的な15種類の事業を取り上げて解説します。
①ペットショップ
ペットショップは犬や猫などの生体を販売する店舗型ビジネスです。生体販売を営む場合、「第一種動物取扱業(販売)」の登録が必要な上、店舗ごとに動物取扱責任者を置く義務があります。
法規制は年々厳格化されており、2021年には生後56日以内の犬猫販売を禁じる「改正動物愛護管理法」が施行されました。また、2022年からは販売業者によるマイクロチップ装着も義務化され、適切な管理体制の構築が求められています。
②ペットフード・用品販売
ペットフードや日用品の販売はペット関連市場の中心的な位置を占めています。健康を意識する飼い主が増えたことで、プレミアムペットフードをはじめとする高価格帯の商品が伸びている点が特徴です。
販売チャネルは、実店舗だけでなくECサイトや定期購入型のサブスクリプションサービスにも広がっています。なお、ペットフードの製造や輸入を行う場合は、ペットフード安全法に基づき、規格の遵守や届出、帳簿の記録などが求められます。
③ペットシッター・散歩代行
ペットシッターは飼い主が留守の間に自宅へ訪問し、ペットの世話や散歩を代わりに行うサービスです。ペットホテルとは異なり、慣れた環境でケアを受けられるため、動物にかかるストレスを抑えられる利点があります。
開業するには「第一種動物取扱業(保管)」への登録と、資格取得や一定の実務経験が必要です。共働き世帯や高齢者世帯の増加を背景に、日常的なサポートに対する需要が高まっています。
④ペットサロン
ペットサロンはシャンプー・カット・爪切りなど、ペットの身だしなみを整えるサービスを提供する施設です。見た目のケアだけでなく、皮膚や被毛の状態から健康上の問題を早期に発見する役割も担っています。
事業をはじめるには「第一種動物取扱業(保管)」の登録が必要です。独立店舗の他、ペットショップ併設型や飼い主の自宅へ出向く訪問型など、運営スタイルは多岐にわたります。
⑤ペットホテル・デイケア
ペットホテルは宿泊を伴う預かりサービス、デイケアは日中のみ預かるサービスをさします。なかには宿泊可能なデイケアもあり、飼い主の旅行や急な外出時に利用される他、高齢や病気で介助が必要なペットを受け入れる施設も存在します。
ペットホテル・デイケアの運営には「第一種動物取扱業(保管)」の登録が必要です。動物病院やトリミングサロンと一体で運営するケースもあり、散歩付きプランなど付加価値を高めたサービスも登場しています。
⑥動物病院
動物病院は、国家資格を持つ獣医師や看護スタッフがペットの診察や治療を行う医療施設です。病気やケガへの対応だけでなく、ワクチン接種・フィラリア予防・定期的な健康診断など、予防医療の重要性が高まっています。
動物病院の数は年々増えており市場全体で供給過多の傾向があるため、新規患者の獲得とリピーターの維持が重要です。質の高いサービスの提供や積極的な情報発信など、「選ばれる病院」になるための工夫が求められます。
⑦ペット保険
ペット保険は病気やケガの治療費を一部補償する保険商品で、少額短期保険会社や損害保険会社が取り扱っています。動物医療の高度化にともない治療費は上昇傾向にあり、飼い主の経済的負担を軽減することを目的としています。
ペット保険の国内加入率はまだ低い水準にあり、成長の余地が残された市場です。
⑧ブリーダー
ブリーダーは犬や猫を計画的に繁殖させ、ペットショップや個人へ販売する事業です。「第一種動物取扱業(販売)」の登録が必要で、動物の健康状態を日々把握しながら適切な環境で飼育する責任があります。
また、直接販売だけでなく、ブリーダーと購入希望者の間に立つ仲介ビジネスも選択肢のひとつです。
⑨ドッグトレーナー
ドッグトレーナーは犬のしつけや訓練を専門に行う職業です。家庭犬の基本的なマナーの習得から、吠え癖や噛み癖などの問題行動の改善まで幅広い依頼に対応します。独立して事業を営む場合は「第一種動物取扱業(訓練)」の登録が必要です。
活躍の場はしつけ教室・ペットショップ・飼い主の自宅への訪問など様々で、実績を積むことで独立開業の道も開けます。
⑩ペットテックビジネス
ペットテックとは、IoTやAIなどの先端技術を取り入れ、ペットの世話や健康管理を効率化・高度化する製品・サービスの総称です。
ペットの居場所を追跡するGPSデバイス・決まった時間にペットフードを出す自動給餌器・外出先から様子を確認できる見守りカメラなど、製品のバリエーションは広がっています。
また、ペットの健康寿命を延ばしたいというニーズを背景に、ヘルスケア分野を中心とした成長が見込まれる領域です。
⑪ペット向けサブスクリプション
ペット向けサブスクリプションは、ペットフード・おやつ・おもちゃ・ケア用品などを定期的に届ける仕組みのサービスです。ペットの年齢や体重にあわせた商品を選んでもらえるプランもあり、買い忘れを防げる点や商品の入れ替えでマンネリ化を回避できる点が魅力です。
ペットの健康志向の高まりを受け、国産原料や無添加にこだわったペットフードを届けるサービスも増えています。
⑫ペットメモリアル・葬儀・グリーフケア
ペットメモリアル・葬儀サービスは、家族として過ごしたペットを丁寧に見送りたいという飼い主の気持ちに寄り添う事業です。火葬や納骨などの葬儀サービスに加え、大切な存在を失った悲しみをケアするグリーフサポートも含まれます。
個別火葬と合同火葬の選択肢があり、メモリアルグッズの制作や永代供養などサービスの幅が広がっています。
⑬ペット同伴可能な飲食店・宿泊施設
ペット同伴可能な飲食店・宿泊施設は、ペットを家族の一員として扱う意識の高まりを背景に需要が拡大している事業です。店内やテラス席にペットを連れて入れるカフェ・レストランの他、同伴宿泊が可能なホテルや旅館もあります。
店舗設計においては、ペットと飼い主の両方が快適に過ごせる工夫が求められます。飲食店の場合、保健所への届出や調理場・客席の区分けなど衛生基準をクリアしなければなりません。
⑭ペット専門写真撮影
ペット専門写真撮影は、大切な家族であるペットの姿を写真として残したいという飼い主向けのサービスです。スタジオで背景やライティングを整えて撮影するスタイルに加え、自宅や公園に出向く出張サービスもあります。
ペットが緊張しないように自然光を活かした撮影や家族全員での撮影を取り入れるなど、リラックスできる環境づくりが必要です。撮影後は、フォトブックやパネルなど様々な形で商品化でき、思い出として残すサービスを展開可能です。
⑮ペット向け不動産・住宅サービス
ペット向け不動産・住宅サービスは、ペットと暮らせる物件の紹介に特化した不動産事業です。専門のポータルサイトが複数存在し、猫と暮らせる物件だけを扱うサイトなど、ニッチな切り口で差別化を図る例も見られます。
ペット共生型マンションでは、エントランスに足洗い場を設けたり、ドッグランを併設したりと、動物との暮らしを前提とした設備が整えられた物件も登場しています。
ペットビジネスで起業するための手順
ペットビジネスで起業するための手順
生体を扱う事業は動物愛護法をはじめとした法令の規制対象となるため、開業前の準備が欠かせません。以下では、起業までの流れを4つのステップに分けて説明します。
① ビジネスモデルの選定と市場調査の実施
② 事業計画の策定と資金調達
③ 必要な資格・届出の確認と取得
④ ブランディングと集客の準備
①ビジネスモデルの選定と市場調査の実施
最初に取り組むべきは、自分の強みや関心に合った事業形態を選ぶことです。物販、サービス、健康管理など複数の選択肢があるなかで、どの分野に参入するかを明確にします。
あわせて、開業予定地域のペット飼育数や競合の状況、顧客が求めているものを調べ、事業として成り立つかを見極めましょう。ペット関連市場全体は拡大傾向にあるものの、エリアや業種によって需要は異なるため、開業予定エリアでの詳細な調査が重要です。
②事業計画の策定と資金調達
事業計画では、開業に必要な費用・毎月の運営コスト・売上の見込み・利益目標を数字で整理しましょう。計画に説得力があれば、金融機関からの融資や投資家からの出資を受けやすくなります。
資金調達の方法としては、自己資金の他、日本政策金融公庫の創業融資、親族や知人からの借入、クラウドファンディングなどが挙げられます。
トリミングサロンのように店舗を構える事業では内装工事や設備購入に数百万円かかるケースも珍しくないため、資金計画は入念に立てましょう。
③必要な資格・届出の確認と取得
営利目的でペットの販売・保管・訓練・展示を行う場合、動物愛護法に基づき「第一種動物取扱業」の登録が必要です。登録の有効期間は5年で、店舗ごとに動物取扱責任者を選任しなければなりません。
動物取扱責任者には法令で定められた要件があり、自治体が実施する研修の受講も義務付けられています。業種ごとに必要な資格や手続きが異なるため、事前の確認を怠らないようにしましょう。
【主な事業ごとに必要な登録・届出】
事業 |
必要な登録・届出 |
業種区分 |
ペットショップ |
第一種動物取扱業 |
販売 |
ペットフード製造・輸入 |
愛玩動物用飼料〔製造・輸入〕業者届 |
- |
ペットシッター |
第一種動物取扱業 |
保管 |
ペットサロン |
第一種動物取扱業 |
保管 |
ペットホテル・デイケア |
第一種動物取扱業 |
保管 |
ブリーダー |
第一種動物取扱業 |
販売 |
ドッグトレーナー |
第一種動物取扱業 |
訓練 |
④ブランディングと集客の準備
ペットビジネスでは、飼い主に「この店なら安心」と思ってもらえるかどうかが売上を左右します。専門知識やサービス品質の高さを伝え、信頼を獲得するブランディングが欠かせません。
SNSを使った情報発信も有効な手段です。トリミングのビフォーアフター写真や預かり中のペットの様子を投稿することで、サービス内容を視覚的にアピールできます。
ペットビジネスで成功するためのポイント
ペットビジネスで成功するためのポイント
ペットビジネスで成果を上げるには、ペットの健康と安全を第一に考えた運営姿勢と飼い主との信頼関係の構築が不可欠です。特に生体を預かる事業では、飼育環境の整備や健康管理を徹底する必要があり、これを怠れば法令違反や顧客離れを招く可能性があります。
ペット関連市場は健康志向のペットフードやペットテック製品の登場などにより、常に変化しています。最新のトレンドを把握してサービスを柔軟に見直していく姿勢が、競争のなかで優位に立つためのポイントです。
ペットビジネスの新規参入・販路拡大なら「雑貨EXPO」へ
ペットビジネスの新規参入・販路拡大なら「雑貨EXPO」へ
ペットビジネスへの新規参入や販路拡大を検討している方は、ぜひ「雑貨EXPO」内の「ペットのいる暮らしゾーン」へ足を運んでみてください。
「雑貨EXPO」は「ライフスタイルWeek」における構成展のひとつで、新設された「ペットのいる暮らしゾーン」では「ペットとの共生」をテーマに、拡大中のペット市場に特化した最新製品・サービスが集結します。
会場内ではペットフード・ペット用品・IoTデバイス・スマート家電・健康管理ツールなど、業界の最新動向を一度に比較・体験可能です。事前に来場登録を済ませれば入場は無料で、効率よく情報収集ができるだけでなく、協業先となる企業との出会いにもつながります。
また、ペットビジネス関連製品やサービスを提供する企業は出展者としての参加も可能で、ペット関連商品に関心を持つバイヤーと直接対話できます。自社製品の認知度向上・新規リード獲得・受注拡大の場としても活用できるため、ぜひご出展・来場を検討ください。
※ペットのいる暮らしゾーンは「雑貨EXPO」内の展示エリアです。
拡大するペットビジネス領域で新たな販路を開拓しよう
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ペットビジネスは、市場規模が右肩上がりで推移している成長分野です。ペットを家族として迎える意識が広がるなか、物販からサービス・健康管理・テクノロジー活用まで事業形態は多彩であり、企業にとっては参入や事業拡大の好機となっています。
ペットビジネスへの新規参入や販路拡大を検討している企業は、「雑貨EXPO」に新設された「ペットのいる暮らしゾーン」への来場・出展をご検討ください。
ペットのいる暮らしゾーン
※ペットのいる暮らしゾーンは「雑貨EXPO」内の展示エリアです。
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