~本講演の魅力~

人気アパレルブランドURBAN RESEARCHは、2019年、長野県蓼科湖畔にキャンプ施設「TINY GARDEN 蓼科」を開業。キャンプやロッジといった宿泊施設のほか、温泉やカフェ、ワークステーションも設置している。
同タイミングでアウトドアウェアブランド「エカル(EKAL)」も展開。施設と商品の両軸でアウトドアの新しい形を提案し、従来アウトドアに関心の無かった層も取り込んでいる
本講演では、同社が本事業に着手した理由、モノ・コト両軸での体験価値、取組みの具体例などを紹介する。

~中馬(ちゅうまん)氏 略歴~

明治大学経営学部卒業後、2005年株式会社アーバンリサーチ入社。新規事業開発や既存ブランドのリブランディング、社外連携プロジェクトの領域を主に担当。2013年より作り手と消費者を直接繋ぐことを目的とした野外フェスティバル「TINY GARDEN FESTIVAL」を開始、運営責任者を務める。2019年、長野県蓼科湖畔に複合型宿泊施設「TINY GARDEN 蓼科」をオープン。同時に湖をテーマにしたアウトドアブランド「EKAL」の立ち上げ及び全体のディレクションを担当、現職に至る。

「講演が、アウトドアやキャンプ事業に飛び込む方の参考になれば。

アパレルの僕らにとっても、宿泊ビジネスは異業種への挑戦でしたから。」

優しい笑顔が印象的な中馬氏。「登壇の機会をいただいたので、具体事例や写真を盛り込み、皆様の参考になる講演にしたい。」

インタビュアー:
まずは、アーバンリサーチにご入社された理由をお聞かせください。

中馬氏:
中学時代から洋服が大好きで、アパレル業に強い関心がありました。大学を卒業したころ、ちょうど当社が大阪から東京へ進出するタイミングで。「これから東京で、ファッションを切り口にさまざまな提案をしていくんだろう。」そんな予感がして入社を決め、店舗から経験を積みはじめました。

「キャンプ施設開業で求められた、『お客様の利便性』と『自然との共存』。

『ビジネス』と『環境配慮』の両立は難しいからこそ、やりがいがあります。」

インタビュアー:
中馬さんのご経歴はサステナビリティな分野でのご活躍が目立ちます。こうしたプロジェクトの難しさ、やりがいは?

中馬氏:
「環境活動」と「ビジネスとしての黒字化」は、なかなか両立しづらい領域です。これが難しさでもあり、同時にやりがいでもあります
2008年に、野外フェスで生まれたペットボトルゴミをTシャツに変え、翌年のフェスで販売するという循環型プロジェクトを実施しました。当時はまだ「SDGs」なんて言葉もなく、売上にはなかなか繋がらなくて。僕の中で「お客様の環境意識の高まりには貢献できても、ビジネスとして続ける価値があるのか」と葛藤があり、正直、苦悩の日々でした。有難いことに当社は「挑戦する社員」を後押ししてくれる社風です。会社として、僕の取り組みをサポートしてくれ、周囲のメンバーも少しずつ協力してくれて。そうやって少しずつ輪が大きくなると、やりがいも深まることを実感しました。
講演でお話する複合型宿泊施設「TINY GARDEN 蓼科」も、山林の中にあって、そこに暮らす鹿やタヌキたちと共存することが求められました。お客様の利便性など、ビジネスとして必要な部分は押さえながらも、ありのままの自然を大切にする。相反するようですが、どちらも常に意識しています。

「ビジネスと環境配慮、両立は難しいですが、輪が広がればやりがいも深まります。」中馬氏の語り口は説得力に溢れている。

インタビュアー:
複合型宿泊施設「TINY GARDEN 蓼科」開業時の、印象深いエピソードがあればお聞かせください。

中馬氏:
予期していないトラブルの連続で、エピソードならたくさんあります。(笑) お客様が宿泊されているのに、お風呂のボイラーが故障して動かなくなったり、倒木の影響で停電になったり。停電すると、冷蔵庫のなかの食材が全て無駄になってしまうんですよ。人馴れしたタヌキが、お客様のすぐそばまで餌を狙いにくることも日常茶飯事です。
都心部にあるオフィスや店舗で働いているだけでは気付けない、実際に自然の中に足を踏み入れないと分からないことだらけでしたね。ただ、それも含めて、自然と共存することの大切さを噛みしめていますし、その豊かな自然をお客様に感じていただくことも、体験価値なのかなと考えています。

インタビュアー:
今回の講演を、どのような方々に聴いていただきたいでしょうか。

中馬氏:
異業種からアウトドアに参入しようとされている方、それからアウトドアに限らず異業種への転職を検討している個人の方にも参考になるかもしれません。というのも、僕らはアパレルではプロであっても、宿泊ビジネスは未知の領域でした。異業種への大きな挑戦だからこそ、苦労や新たな気付きがたくさんありました
当社の宿泊ビジネスは、洋服を買ってくださったお客様の、その次のステップとして関心を寄せてもらうわけですので、言わばお客様のライフスタイルに介入していく必要があります。関心を持ってもらうための施策や、体験価値の工夫、新規事業を軌道に乗せるコツなど、実体験に基づいてお話させていただきます。お越しいただいた皆様に少しでもお役に立てたら幸いです。」

インタビュアー:
ありがとうございました!

「宿泊事業はお客様のライフスタイルに介入し、提案する仕事。実体験に基づくリアルな講演にします。」と意気込む中馬氏。

中馬氏の講演

「アーバンリサーチが提案する新しいアウトドアライフスタイル
~キャンプ施設×商品の両軸で伝える自然に寄り添う暮らし~」

2023年4月6日(木)12時30分~13時30分(東京ビッグサイト西展示棟4階)

◆展示会概要◆
第6回 ライフスタイルWeek春
【会期】2023年4月5日(水)~7日(金)
【会場】東京ビッグサイト
【主催】RX Japan株式会社