イマーシブとは?
意味や注目の背景から体験の種類、企業の導入事例まで徹底解説

現代のデジタル社会では、顧客にどのような体験を提供できるかが企業の競争力を左右する重要な要素となっています。なかでも注目されているのが「イマーシブ」という新しい概念です。

イマーシブ体験は、従来のようにただ見たり聞いたりするだけではなく、ユーザーを物語や空間に深く没入させる手法として多くの企業が導入を進めています。

本記事では、イマーシブの概要や注目される背景・体験の種類・具体的な導入事例を詳しく解説します。

 「イマーシブ(immersive)」とは?

「イマーシブ(immersive)」とは?

イマーシブ(immersive)とは、「没入感のある」や「没入型の」と訳される言葉です。マーケティングやエンターテインメントの分野では、現実を一時的に忘れ、特定の物語や仮想空間のなかに入り込むような体験を指します。

従来の「見る」「聞く」といった受け身の体験とは異なり、イマーシブ体験では「参加する」「体感する」ことを通じて、よりリアルで記憶に残る体験を得られることが特徴です。

VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などを活用するケースも多く、観光・教育・医療など幅広い領域で活用が進んでいます。

 イマーシブが注目される背景

イマーシブが注目される背景

イマーシブ体験が広く注目されるようになった背景には、社会の「価値観の変化」と「技術の進化」が深く関わっています。以下では特にイマ―シブが注目される3つの要因を解説します。

①「体験」の価値を重視する消費者意識の高まり

現代の消費者行動は、モノを所有することに重きを置く「モノ消費」から、体験や経験に価値を見出す「コト消費」、そして「トキ消費」へとシフトしています。トキ消費とは、その瞬間にしか得られない特別な体験に価値を置いた消費スタイルです。

現代社会では、企業は単に商品やサービスを提供するだけでなく、顧客の記憶に強く残る体験価値の創出が求められています。そのなかで、イマーシブ体験は、まさに「心に深く残る体験づくり」が可能な手法です。

②話題性とSNS効果の創出

イマーシブ体験の特徴である「視覚的インパクト」や「世界観の独自性」は、SNSと相性が良く、投稿を自然と促す効果があります。参加者が「思わずシェアしたくなる」魅力的なシーンや感動的な瞬間を演出することで、SNSによる拡散効果が期待できるでしょう。

情報があふれる現代社会では多くの人が様々な体験に既視感を感じており、強い話題性を生み出すには「今この瞬間でしか体験できない」という特別な価値を提供する必要があります。

なお、拡散力と訴求力を兼ね備えたイマーシブ体験はマーケティング効果も高く評価されています。

③VR・ARなど最新テクノロジーの普及

イマーシブ体験の可能性を広げたものが、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)・メタバースなどの技術革新です。

高性能なヘッドマウントディスプレイ(頭に装着できるゴーグル型のディスプレイ)などの普及によって個人でも手軽に没入型コンテンツを体感できるようになりました。また、5G通信網の拡大によって大容量のデータをリアルタイムで処理できる環境が整い、臨場感のある映像体験を楽しめるようになっています。

かつては技術的に困難だった「バーチャルとリアルの融合体験」が実現し、次々と新しいイマーシブコンテンツが誕生しています。

 イマーシブの種類

イマーシブの種類

イマーシブ体験は、使用する技術や提供する体験内容によって様々な種類に分類されます。以下では代表的な4つの例を紹介します。

①  イマーシブシアター
②  イマーシブオーディオ
③  イマーシブミュージアム
④  イマーシブビュー

①イマーシブシアター

「イマーシブシアター」は、2000年代にロンドンで誕生した演劇の手法で、まるで物語のなかに入り込んだかのような没入感を楽しめる点が特徴です。従来のように座席から舞台を眺めるのではなく、会場全体を舞台に見立て観客が自由に会場内を移動しながら物語を体験します。

また、演者との距離も近く、観客が登場人物としてストーリーに関わることも可能です。東京・お台場にある体験型エンタメ施設「イマーシブ・フォート東京」では、観客の選択によってストーリー展開が変わる演目や謎解き要素など、没入型ならではの演出が取り入れられています。

②イマーシブオーディオ

「イマーシブオーディオ」は、音の立体感を生み出す音響技術によって観客の没入感を高める手法です。通常のステレオ方式とは異なり、音が前後・左右・上下とあらゆる方向から聞こえる設計で「立体音響」や「3Dサラウンド」とも呼ばれます。

映画館やライブ会場では天井にもスピーカーが設置され、音に包まれるような空間が演出されます。なお、ヘッドフォンでも特殊な音響処理技術によって同様の効果が再現可能です。

ゲームや動画配信サービスでもイマーシブオーディオの導入が進んでおり、臨場感のある体験が提供されています。「Apple Music」や「Netflix」などでも対応が進んでいる注目の技術です。

③イマーシブミュージアム

「イマーシブミュージアム」は、美術作品を壁面や床に映像で投影し、音響効果と組みあわせて空間全体を演出する展示スタイルです。来場者は空間内を自由に歩き回れるため「作品を鑑賞する」だけでなく、作品の世界に自分自身が入り込んだような没入感を体験できます。

没入型のアートを展開する東京・豊洲の「チームラボプラネッツ TOKYO」は、従来と異なるアートを体験できる美術館として人気を集めており、年間の来館者数が最も多い美術館(単一アート・グループ)としてギネスにも認定されました。

④イマーシブビュー

「イマーシブビュー」は、「Google マップアプリ」で利用できる3D表示機能です。一部地域を対象に、航空写真とストリートビューからAIによって構築された立体的な街並みを確認できます。

旅行先の下見や待ち合わせ場所の確認などに役立ち、時間帯ごとの天気予報・交通情報・混雑状況も同時に把握することが可能です。現実に近い視覚体験を得られるため、外出時のプランを立てる際にも活用できます。

推し活EXPO

※推し活EXPOはライフスタイルWeekの構成展です。

ライフスタイル Week


 企業がイマーシブ体験を導入するメリット

企業がイマーシブ体験を導入するメリット

企業がイマーシブ体験を取り入れることで、以下のメリットが得られます。

  • ブランドイメージの向上
  • マーケティング効果の向上
  • リピーターの定着

印象に残る特別な体験は、ブランドの認知度を高めるだけでなく、競合との差別化を図れます。SNSに投稿したくなるような魅力的なコンテンツを提供すれば、自然に口コミが広がり新規顧客の獲得にも繋がるでしょう。

また、商品のデモンストレーション販売にVRを活用すると、実際の使用感に近い体験を顧客に提供できるため、購入前の不安を軽減し購買意欲の向上が期待できます。

その他、顧客の記憶に長く残るイマーシブ体験は、リピート率の向上や継続的な関係構築にも役立ちます。

 エンタメ業界でのイマーシブ体験の事例

エンタメ業界でのイマーシブ体験の事例

エンターテインメント分野では、従来の鑑賞型から観客自身が参加し体験するコンテンツへと大きくシフトしています。以下では代表的なイマーシブ体験施設を紹介します。

イマーシブ・フォート東京

「イマーシブ・フォート東京」は、東京・お台場にある世界初のイマーシブ体験特化型テーマパークです。閉業した商業施設が活用され、体験型の劇場やレストランが設けられています。

来場者は作品を観るだけではなく、物語の登場人物として参加でき、没入感の高い演出を楽しめます。リアルな街並みが再現されたエリアもあり、ミステリー・江戸花魁・現代サスペンスなど多彩なテーマのプログラムが展開されています。

Immersive Museum Tokyo

「Immersive Museum Tokyo」は、来場者が絵画の世界に入り込むような体験を楽しめるアート展です。2024年には7月から10月にかけて、東京で「印象派と浮世絵」をテーマに開催されました。

会場の壁や床には、印象派の絵画や浮世絵などが映像として投影され、音や動きと連動する演出によって空間全体が作品の世界に変化します。また、ゴッホや北斎の技法をAIで再現した似顔絵生成サービスなど会場でしか味わえない独自のコンテンツも魅力です。

RED° TOKYO TOWER

「RED°TOKYO TOWER」は、東京タワー直下のフットタウン1・3・4・5階に展開する屋内型のデジタルアミューズメントパークです。2022年4月にオープンし、AR・VR技術を駆使した様々なアトラクションを提供しています。

施設内では季節に合わせたイベントの他、人気アニメやゲームとのコラボイベントも定期的に開催されており、訪れるたびに新しいコンテンツを楽しめる点も魅力です。

 企業・自治体のイマーシブ体験事例

企業・自治体のイマーシブ体験事例

イマーシブ体験はエンタメ業界にとどまらず、小売・観光・飲食など様々な分野で活用が広がっています。以下では、販促やブランディングに取り入れられている事例を紹介します。

株式会社ニトリ「バーチャルショールーム」

株式会社ニトリでは、自社サイト内でインテリアのコーディネートをバーチャル体験できる「バーチャルショールーム」を展開しています※1

ライフスタイルや好みに応じて部屋タイプを選び、ニトリが提案するインテリアコーディネートをバーチャルで閲覧可能です。

バーチャルショールームの強みは、従来のECサイトでは伝わりにくかった空間の広がりや家具の配置バランスを体感できる点にあります。また、気になった商品の詳細確認から購入までサイト内で完結できる設計になっており、新しい購買体験を実現しています。

また、ニトリ目黒通り店では、実店舗4階の家具フロア全体がデジタル空間として再現されています※2。Matterportカメラを用いた3D撮影技術により、コンセプトショールームやフロア全体を自由に探索できる仮想環境が構築され、日本中どこからでも疑似的に店舗を訪れることができます。

奈良県桜井市「YAMATO 桜井周遊ARガイド」

「YAMATO 桜井周遊ARガイド」は、奈良県桜井市が提供するスマートフォン対応の無料AR・VR観光アプリです

歴史的文化財を巡り、現地でスマートフォンをかざすと、建造物が3DCGで再現され、当時の姿がその場に蘇ります。

アプリには、研究員とキャラクターによる会話形式の音声ナビゲーションも搭載されており、文化財の背景を親しみやすい形で学べます。

アサヒビール株式会社「SUPER DRY Immersive experience」

アサヒビール株式会社の「SUPER DRY Immersive experience」は、ビールをテーマにした日本初の体験型施設で、2024年4月25日から9月30日にかけて東京・銀座で展開されました

2階の「スーパードライ ゴーライド」では、4Kスクリーンを活用し製造中のビール缶に乗っているような感覚を味わえる体験など、臨場感のある演出で多くの来場者を魅了しました。

1階と地下のバーエリアでは、「スーパードライ エクストラコールド」をはじめ、泡アートやセルフサーブなどの体験コンテンツも提供されました。

なお、音楽ストリーミングサービスとのタイアップや期間限定イベントも実施され、2024年8月末時点で来場者数は3万人を記録しました。イマーシブ体験を取り入れ、大成功を収めた事例のひとつです。

 イマーシブをはじめ推し活市場への参入・販路拡大は「推し活EXPO」へ

イマーシブをはじめ推し活市場への参入・販路拡大は「推し活EXPO」へ

イマーシブ体験のような最新技術を活用したサービスは様々な分野で活用されており、推し活市場でも、ファンの感情に強く訴えかける演出手法として注目を集めています。

RX Japanが主催する日本最大級の商談展「ライフスタイルWeek」内で開催される「推し活EXPO」では、先進的な演出を取り入れたファンエンゲージメント手法の事例を実際に体験し、活用方法を学べます。

会場には、AR・VRなどを使った演出事例や最新のマーケティング手法・サービスが多数展示されます。最先端のサービスをビジネスに取り入れたい企業にとって、実際の効果や仕組みを確認できる貴重な機会となるでしょう。

来場は事前登録制で、登録すれば無料で入場できます。また、推し活やイマーシブ関連の製品・サービスを取り扱う企業であれば、出展側での参加も可能です。バイヤーとその場で受注につながる商談ができるため、自社製品の認知向上を狙いたい方にもおすすめです。

特に会場内の「推し活サービスフェア」では、推し活に関連する最新のマーケティング手法やサービスを紹介しています。推し活文化とイマーシブ技術の融合による新たなビジネス機会を発見する場として、ぜひ「推し活EXPO」への来場をご検討ください。

 イマーシブ体験で新時代の顧客体験を実現しよう

イマーシブ体験で新時代の顧客体験を実現しよう

イマーシブ体験は、従来の受動的な顧客体験を能動的で印象深いものに変える強力な手法です。VR・AR技術の普及と「トキ消費」への価値観のシフトにより、企業にとってイマーシブな顧客体験の提供は競争優位性確保の面で欠かせなくなっています。

イマーシブをはじめ推し活市場への参入・販路拡大を検討する企業の方は、ファンの心をつかむ推し活グッズ・サービスについて学べる「推し活EXPO」にぜひご参加・ご来場ください。

推し活EXPO

※推し活EXPOはライフスタイルWeekの構成展です。

ライフスタイル Week


※推し活サービスフェアは「推し活EXPO」内の展示エリアです。

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