推し広告®とは?センイル広告・応援広告との違いや種類、費用、掲出方法などを解説
街頭ビジョンや駅構内で、アイドルやアーティストの誕生日を祝うポスターや映像を見かけたことはないでしょうか。「推し広告®」と呼ばれるこの広告は、企業ではなくファンが出稿しているもので、韓国から日本へ広まった新しい推し活の形です。
本記事では、推し広告®を出稿する目的や掲出媒体の種類、費用の目安を詳しく解説します。掲出までの具体的な流れも紹介しているので、推し広告®に興味をお持ちの方だけでなく、市場への参入を検討している企業の方もぜひ参考にしてください。
※「推し広告®」は、センイルJAPANを運営する株式会社IWの登録商標です。
推し広告®とは
推し広告®とは
推し広告®とは、ファンが自分の「推し」を応援するために出稿する広告です。一般的な広告は企業が商品やサービスを宣伝するために出稿しますが、推し広告®は個人のファンや有志の集まりが広告主となる点が特徴です。
応援しているアイドル・アーティスト・VTuber・二次元キャラクターなどを対象に、「愛情や感謝を形にして届けたい」「より多くの人に推しの魅力を知ってもらいたい」という想いから出稿されます。
推し広告®は推し活の一形態として定着しつつあり、関連する事業やサービスも増えています。推し活市場への参入や販路拡大を目指す企業は、推し広告®の仕組みや掲出までの流れを把握しておきましょう。
推し活についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
推し広告®の文化が広まった背景
推し広告®のようなファンの応援文化は、韓国が発祥です。2016年頃、視聴者投票でアイドルのデビューメンバーを決めるオーディション番組が放送され、ファンたちが「自分の推しをデビューさせたい」という一心で広告を出しはじめたことがきっかけとされています。
日本では2019年頃からこうした活動が見られるようになりました。K-POPファンを中心に広まった文化は、やがて他のアイドルや俳優、VTuberなど様々なジャンルへと波及しています。
普及を後押しした要因として、SNSによる情報拡散の加速が挙げられます。加えて、短期間・低価格の出稿プランを提供する媒体社や、煩雑な手続きを代行してくれるサービスの登場も推し広告®文化が急速に浸透した要因です。
推し広告®とセンイル広告・応援広告の違い
「センイル」は韓国語で誕生日を意味する言葉で、推しの誕生日を祝うために掲出する広告を「センイル広告」と呼びます。「応援広告」は誕生日以外にも、デビュー記念日・ライブ開催祝い・日頃の感謝など、様々な目的で出稿される広告をさす言葉です。
推し広告®はセンイル広告と応援広告の両方を包括する呼び方で、名称が異なるだけで本質的には同じ広告をさします。
推し広告®を出す目的・タイミング
推し広告®を出す目的・タイミング
推し広告®の出稿には、「推しへの感謝や愛情を目に見える形で届けたい」「推しの魅力を広く知ってもらいたい」「ファン同士の繋がりを深めたい」など様々な目的があります。
出稿するタイミングとして多く選ばれるのは以下のような記念日です。
- 誕生日
- デビュー記念日・グループ結成周年記念
- 新曲リリース・アルバム発売
- ライブやコンサートの開催
- その他推しにとって特別な節目
株式会社ジェイアール東日本企画の「推し活・応援広告調査2024」によると、推し活をしている4人に1人は推しの記念日を何らかの形で祝っており、かける費用は平均1.4万円、半年以上前から準備をはじめるファンは20%に上るという結果が出ています※。
したがって、一部のファンにとって推しの記念日は自分の記念日以上に大切なイベントとして位置付けられていることがわかります。
推し活EXPO
※推し活EXPOはライフスタイルWeekの構成展です。
ライフスタイル Week
推し広告®の主な種類
推し広告®の主な種類
推し広告®には掲出場所や媒体によって複数の種類があり、それぞれ費用や訴求効果・ターゲット層が異なります。以下では、代表的な5つの広告媒体をご紹介します。
- 街頭ビジョン
- 交通広告
- ラッピングバス・アドトラック
- カップホルダーイベント
- SNS広告
街頭ビジョン
街頭ビジョンは、駅前や繁華街の交差点に設置された大型ディスプレイで動画や画像を流す広告手法です。新宿・渋谷・大阪梅田など人通りの多いエリアが主流で、大画面と音声を活かした映像表現により、通行人に強い印象を残せます。
推し広告®のなかでも定番の媒体であり、SNSで拡散されやすく話題を呼びやすい点も魅力です。
交通広告
交通広告とは、駅構内のポスター・デジタルサイネージ・大型ボードや電車・バスの車内広告など、公共交通機関に掲出される広告の総称です。毎日同じ路線を利用する通勤・通学客に繰り返し見てもらえるため、印象に残りやすい点が特徴です。
都心の駅はより多くの利用客にアプローチできるため、高い人気を誇ります。一方、地方の駅は訴求力に劣るものの、広告掲出にかかる費用を抑えることが可能です。推しの出身地域に出稿するファンも多く、比較的手頃な価格で出稿できるため人気を集めています。
ラッピングバス・アドトラック
ラッピングバス・アドトラックは、車体全体に広告をデザインし、特定のエリアを走行させる手法です。ラッピングバスは写真やイラストを使った静止画が中心で、アドトラックは車体に取り付けたモニターで動画や音楽を流しながら推しをアピールできます。
いずれも走行しながら宣伝を行うため、広い範囲の人々にアプローチできる点やSNSで話題になりやすい点がメリットです。ただし、費用が高額になりやすいため、ファン同士で協力して資金を集めるケースが多く見られます。
カップホルダーイベント
カップホルダーイベントとは、カフェで提供されるドリンクのカップホルダーに推しのデザインを印刷し、来店者に配布する韓国発祥の企画です。店内に推しのポスターやパネルを展示したり、推しをテーマにした限定メニューを用意したりして盛り上げることもできます。
同じ推しを応援するファンが集まる場となり、交流を深められる点も魅力です。
SNS広告
SNS広告は、Instagram・X(旧Twitter)・YouTubeなどのプラットフォーム上で配信する広告です。推しに関心を持ちそうなユーザーのタイムラインに表示され、広告を見たユーザーが投稿をシェアすることで、さらなる認知拡大も期待できます。
他の広告媒体より少額で出稿できる点や、配信エリア・期間を柔軟に設定できる点がSNS広告の強みです。
推し広告®にかかる費用の目安
推し広告®にかかる費用の目安
推し広告®の費用は媒体・掲出場所・期間によって異なり、数万円から出稿できるものもあれば、数十万円以上かかるものもあります。予算に応じて媒体を選べるため、団体だけでなく個人でも実現可能です。
主な推し広告®の費用目安は以下のとおりです。
広告の種類 |
費用目安 |
街頭ビジョン |
3万円~55万円/日 |
交通広告(駅ポスターなど) |
2万円~200万円/週 |
ラッピングバス・アドトラック |
18万円~45万円/日 |
カップホルダーイベント |
3万円~15万円 |
SNS広告 |
1万円~4.5万円 |
広告に使用する画像や動画の制作を外部に依頼する場合は、上記の金額とは別に外注費などが発生します。
推し広告®を掲出するまでの流れ
推し広告®を掲出するまでの流れ
推し広告®を企画してから実際に掲出されるまでには、複数のステップを踏む必要があります。以下では、実際の流れを10段階に分けて解説します。
①広告出稿が可能か規定を確認する
最初に行うべきは、掲出を希望する媒体の規定と推しの所属事務所が定めるガイドラインの確認です。
個人名義での出稿を受け付けていない媒体や事務所未所属の対象者は広告掲出不可としている媒体もあるため、事前の確認が重要です。所属事務所が推し広告®に関する規定を設けているケースもあるため、必ず目を通しましょう。
②掲出目的とターゲットを明確にする
企画段階で固めておきたいのは、「何のために出稿するのか」と「誰に届けたいのか」の2点です。誕生日のお祝い・デビュー周年記念・ライブ開催祝いなど、どのタイミングで何を伝えたいのかを明確にすることで、その後の媒体選びやデザイン制作がスムーズに進みます。
また、届けたい相手が誰かによっても適した媒体や掲出場所は変わります。ファン同士で記念を共有したいのか、推し本人に感謝を届けたいのか、通りすがりの人に魅力を知ってもらいたいのか、目的を整理しておきましょう。
③広告の種類・掲出場所を選んで予算を組む
目的とターゲットを踏まえ、予算内で実現できる広告の種類と場所を選定します。推し本人の目に届けたいなら活動拠点の近くに掲出できる媒体、ファン同士で盛り上がりたいならSNSで話題になりやすい場所など、目的に沿って選択しましょう。
個人での費用負担が難しい場合は、SNSで賛同者を募って共同出資やクラウドファンディングを活用することも検討できます。
ただし、実際に資金を募るのは本人・事務所からの許可を得た後にしましょう。許可なく進めるとトラブルにつながるおそれがあるため十分な注意が必要です。
④掲出までのスケジュールを決定する
掲出したい日程が決まったら、そこから逆算してスケジュールを組み立てます。申し込みから掲出までには審査や制作の期間が必要なため、所属事務所への許可申請も含めて3ヶ月前には準備をはじめましょう。
人気の掲出枠は先着順で埋まっていくため、記念日が近い時期は特に競争が激しくなります。希望どおりの日程・場所を押さえたいなら、早めの行動を意識しましょう。
⑤本人・所属事務所から許可を取る
推し広告®では推しの写真・映像・イラストなどを使用するため、肖像権・著作権の観点から所属事務所の許可が必須です。無許可で出稿すると権利侵害に該当し、法的なトラブルに発展しかねないため、必ず事前に許可を得ましょう。
申請の際は、広告の目的・掲出場所・期間・使用素材などを具体的に伝え、承認を証明できる書類やメールを受け取ります。広告代理店によっては、事務所への許可申請を代行してくれるケースもあります。
⑥広告代理店や専門サービスに相談する
媒体の選定・許可取得・デザイン制作・印刷手配など、推し広告®の掲出には多くの工程があります。全てを個人で進めると負担が大きくなりますが、推し広告®を専門に扱う代理店やサービスに相談することで一貫したサポートを受けられます。
また、交通広告の場合は一般的に代理店経由での申し込みが必要です。はじめて出稿する方は、過去の実績や対応範囲をホームページで確認した上で依頼先を選びましょう。
⑦デザインを制作して審査を受ける
広告に使用するデザインを制作したら、媒体社と所属事務所の両方から審査を受けます。審査ではデザインの内容や表現が規定に沿っているかがチェックされ、不適切と判断された場合は修正を求められる可能性があります。
所属事務所によっては、広告での使用を認めている公式素材を提供している場合もあるため、あらかじめ確認しておきましょう。
⑧料金を支払う
審査を通過したら、広告費の支払いに進みます。契約後のキャンセルは原則として認められず、未掲出でも広告料金が発生する点に注意が必要です。
複数人で資金を出しあっている場合は、支払い期日に間に合うよう集金スケジュールをしっかり管理しましょう。
⑨掲出物を納品する
掲出日の数週間前から数日前までに、媒体社や広告代理店が指定する場所へ広告物を納品します。ポスターなどの印刷物を配送する場合、送料が自己負担になる場合もあります。
納品が期日に間に合わないと、せっかく確保した枠が無駄になりかねません。スケジュールには十分な余裕を持たせましょう。
⑩広告掲出を開始する
手続きが全て完了すると、いよいよ予定日から広告が掲出されます。契約時間に街頭ビジョンで放映されたり、掲出開始日の午前中に駅広告の設置作業が行われたりするなど、媒体によって開始のタイミングは様々です。
SNSで広告を告知する場合、媒体ごとに情報発信のルールが定められていることがあるため必ず確認しておきましょう。なお、掲出期間終了後のポスター撤去は媒体社が行い、基本的に、掲出物の返却は行われません。
推し広告®の注意点
推し広告®の注意点
推し広告®を出稿する際に最も注意すべき点は、著作権や肖像権の取り扱いです。推しの写真や動画を無断で使用することは権利侵害に該当するため、所属事務所から必ず許可を得ましょう。
また、他者が作成したイラストなどの著作物を無断で使用することも権利侵害に該当します。本人・事務所からの許可取得に加え、使用する他の画像や素材についても他者の権利を侵害していないか厳格な確認が不可欠です。
また、媒体によっては個人での出稿を受け付けておらず団体名義が必須となる場合や、審査基準を厳格に設定している場合もあります。掲出枠が確定した後は原則としてキャンセルできないため、規定をしっかり理解してから申し込みましょう。
推し広告®をはじめ推し活市場への参入・販路拡大は「推し活EXPO」へ
推し広告®をはじめ推し活市場への参入・販路拡大は「推し活EXPO」へ
推し広告®関連の事業をはじめ、推し活市場への参入や販路拡大を考えている企業には「推し活EXPO」がおすすめです。「推し活EXPO」は推し活ビジネスに特化したBtoBの展示会で、広告代理店・コンテンツ制作会社・グッズメーカーなど様々な企業が出展します。
事前に来場登録をすれば入場無料で、推し活に関連する最新のマーケティング手法やサービスをまとめて比較・体験できます。
大手小売店・雑貨店・エンターテイメント業界の関係者も多く来場するため、最新トレンドを把握しながら自社ビジネスのヒントを得られる絶好の機会です。
また、推し活関連製品の製造やサービス提供を行っている企業は、出展者としての参加も可能です。推し活グッズ・広告代理店・イベント企画など幅広い分野が出展対象に含まれているため、自社製品の認知度向上・新規リード獲得・受注拡大の場としてご活用ください。
推し広告®への理解を深めて販路拡大の糸口を見つけよう
推し広告®への理解を深めて販路拡大の糸口を見つけよう
推し広告®は、ファン自らが広告主となって推しを応援する新しい広告の形です。街頭ビジョン・交通広告・SNS広告など媒体の選択肢は幅広く、予算にあわせて個人でも出稿できる推し活の手段として定着しつつあります。
推し広告をはじめとする推し活市場への参入や販路拡大を考えている企業は、ぜひ「推し活EXPO」に足を運んでみてください。最新情報や多様な製品・サービスに触れることで、新たなビジネスチャンスが見えてくるはずです。
推し活EXPO
※推し活EXPOはライフスタイルWeekの構成展です。
ライフスタイル Week
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