IPビジネスとは?
市場拡大の背景や企業が取り組むべき収益化戦略を徹底解説
近年、キャラクターコンテンツの人気や「推し活」文化の広がりを背景に、IP(知的財産)を活用したビジネスモデルが注目を集めています。アニメ・ゲーム・SNS発のキャラクターなどを活かし、自社IPをブランドの中核に据える企業も増えてきました。
IPを活用した取り組みは他社との差別化やファンエンゲージメントの強化につながるため、企業にとってIPビジネスは新たな収益源として定着しつつあります。
本記事では、IPビジネスの基本から市場規模・メリットとデメリット・代表的な収益化モデル・企業の成功事例まで詳しく解説します。IPビジネスへの参入を考えている企業の方は、ぜひ参考にしてください。
IPビジネスとは?
IPビジネスとは?
IPビジネスとは、知的財産(Intellectual Property:IP)を活用して収益を生み出すビジネスモデルです。ここでいうIPとは、キャラクター・ブランド・ストーリー・デザイン・音楽・映像・ゲーム・技術など無形の資産全般をさします。
これらの資産をもとに、ライセンス供与・商品化・デジタル配信・イベント展開などを行うことで収益を生み出すのがIPビジネスの基本的な仕組みです。
主にアニメ・漫画・ゲームなどのエンタメ業界で盛んに活用されてきましたが、近年では製造業・サービス業・法人向け事業など幅広い業種で導入が進んでいます。
IPビジネスの市場動向
日本ではアニメやゲームを中心としたコンテンツの海外展開が進み、IPビジネス市場全体が拡大し続けています。経済産業省の調査によれば、2022年時点で国内コンテンツ産業の市場規模は約13兆円に達し、そのなかでもIP関連分野が大きな存在感を示しています※。
IPビジネスの市場が拡大している要因はSNSや動画配信サービスの普及です。個人の推し活や共感を軸とした消費行動が浸透し、IPに込められたストーリーや世界観が単なる商品価値を超えた魅力として支持されるようになりました。
価格や性能だけでは測れない付加価値が重視される時代において、IPは企業の重要な戦略資産となりつつあります。
※出典:経済産業省「第1回エンタメ・クリエイティブ産業政策研究会」
IPビジネスの主要な収益化モデル
IPビジネスの主要な収益化モデル
IPビジネスの魅力はひとつの知的財産を軸に多様な収益化モデルを展開できる点にあります。キャラクター・ブランド・作品の世界観を活かして、業種や媒体を問わず幅広いビジネスチャンスにつなげることが可能です。
以下では、実際に多くの企業が採用している代表的な収益化モデルを紹介します。
ライセンス契約による権利許諾
IPビジネスで一般的な手法のひとつがライセンス契約による権利許諾です。これは自社が保有するIPの使用権(ライセンス)を他社に提供し、対価として使用料(ロイヤリティ)を得るビジネスモデルです。
ライセンスを提供する側は製造・販売に直接関与せずに利益を得られるため、リスクを抑えながら効率的に収益を確保できます。また、他社の製品やサービスを通じてIPの露出機会が増えるとブランドの認知拡大にもつながります。
オリジナルコンテンツの直接販売
自社で開発したコンテンツを直接販売するのも主要な収益化モデルのひとつです。映像作品・書籍・音楽・ゲーム・アプリなどのコンテンツを自社主導で制作・提供することにより売上を直接的に得られます。
このモデルの強みは、自社の世界観やブランドイメージを忠実に表現できる点にあります。さらに、自社キャラクターのグッズ化や動画化・ポップアップショップやライブイベントの開催など、多角的な展開によってリアルとデジタルの両面で収益化が可能です。
近年では、「推し活EXPO」のように、IPコンテンツの価値を広げるグッズやサービスの情報収集や商談ができる展示会も開催されています。推し活ビジネスの最新トレンドを把握できるため、新たな商機を見つけたい企業の方におすすめです。
ノウハウの販売
IPビジネスには自社の知識や技術を他社に提供する収益化モデルもあります。講座・セミナー・オンラインコンテンツ・コンサルティングなどの形で知的資産を活用できる点が特徴です。
このモデルは物理的な在庫が不要で知識をストック型商品として繰り返し提供できるため、収益の持続性にも期待が持てます。また、自社のIP展開における成功事例や失敗談を体系化して他社に提供することで新たなビジネス領域へのアプローチも可能になります。
企業がIPビジネスに取り組む5つのメリット
企業がIPビジネスに取り組む5つのメリット
IPビジネスに取り組むことで得られるメリットは以下のとおりです。
- ブランド価値向上と差別化戦略
- 多角的な収益源の確保
- 長期的な収益基盤の構築
- 新規顧客層の開拓とファン獲得
- マーケティングコストの最適化
それぞれ詳しく解説します。
ブランド価値向上と差別化
IPは企業の世界観やストーリーを体現できる資産です。独自のキャラクターやコンセプトを活用することで顧客との感情的なつながりが生まれ、競合との差別化が可能になります。
例えば、オリジナルキャラクターを広告や製品に登場させれば、消費者の印象に残りやすくブランド認知の向上にもつながります。独自のIPは模倣されにくいため、価格競争に巻き込まれるリスクを軽減できるのも強みです。
多角的な収益源の確保
IPを活用すれば、ひとつの商品やサービスに依存しない多様な収益化モデルを構築できます。人気キャラクターを活用する場合、ライセンス契約によるロイヤリティ収入・関連グッズの販売・イベント開催・デジタル配信など、ひとつのIPから複数の事業展開が可能です。
さらに、出版・映像・アパレル・ゲームといった業種との連携により、IPを異なる業界で展開できるのも魅力です。自社の技術やノウハウをIPと組み合わせることで、さらなるビジネスチャンスにつながります。
長期的な収益基盤の構築
IPは一度認知を獲得すれば、継続的に利益を生む「資産」として機能します。キャラクターグッズの展開・ファンクラブの運営・定期イベントの開催などを通じて、継続的にファンと接点を持ち続けることが可能です。
IPの世界観に継続的に触れてもらうことで顧客ロイヤルティの高いファンを育成できます。
企業にとって、IPを長期的視点で育てることは安定した収益基盤の構築につながります。
新規顧客層の開拓とファン獲得
IPビジネスは従来のターゲット層とは異なる顧客層にアプローチできるのも強みです。特にストーリー性や体験価値を重視する若年層・Z世代に対してキャラクターやビジュアルの魅力は大きな訴求ポイントとなります。
仮に商品やサービスに直接的な関心がなくても、親しみのあるデザインや世界観をきっかけに興味を持ってもらえる可能性があります。自然なファン獲得を実現できるのはIPビジネスならではの魅力です。
マーケティングコストの最適化
IPビジネスは広告宣伝費を抑えつつ高いPR効果を生み出せる点でも注目されています。 ライセンスを他社に提供する場合、販売や制作を委ねることで自社の負担を軽減しつつ収益の確保が可能です。
また、人気のIPはSNSで拡散されやすく、ファンによる自発的な発信がプロモーション効果を生むメリットがあります。従来のマスメディア広告よりも費用対効果が高く、効率的なマーケティング手法として活用できるでしょう。
ファン心理をビジネスに活かす方法についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
推し活EXPO
※推し活EXPOはライフスタイルWeekの構成展です。
ライフスタイル Week
IPビジネスのデメリット
IPビジネスのデメリット
IPビジネスは多くのメリットをもたらす一方、特有の課題やリスクも存在します。以下では、企業がIPビジネスに取り組む際に直面しやすいデメリットを3つ紹介します。
- IPの育成と収益化までに時間がかかる
- IP管理・権利保護にコストと手間が発生する
- ブランドイメージを損なう可能性がある
IPの育成と収益化までに時間がかかる
IPビジネスは短期的な成果を期待しにくく、立ち上げから収益化までに一定の時間がかかる難点が挙げられます。キャラクターやブランドを広く認知させ、ファンを獲得し、商品化やライセンス収入につなげるまでには地道な努力が必要です。
新規開発のIPを市場に定着させるには、広告宣伝・SNS運用・他社とのコラボレーションなど多面的な施策が求められます。初期段階では費用だけが先行し、収益につながるまでに時間がかかることも少なくありません。
中長期的な視点でIPを育成する姿勢と、相応の資源投入が不可欠です。
IP管理・権利保護にコストと手間が発生する
IPをビジネスに活用するには、法的保護と適切な管理体制の整備が前提です。商標や著作権の登録・契約書の作成などの法的手続きにはコストと労力がかかり、専門知識に加え外部パートナーの支援も必要です。
また、第三者による無断使用や海賊版の流通といったリスクも無視できません。SNSやECサイトが普及している昨今、非正規品が市場に出回る可能性が高いため、監視体制の構築や弁護士との連携も検討しましょう。
ブランドイメージを損なう可能性がある
IPビジネスを展開する際にはブランドイメージを損なうリスクが潜んでいます。例えば、ライセンス提供先が制作した商品がIPの世界観にそぐわない場合、ファンの期待を裏切る可能性があります。
また、IPを軽率に扱ったプロモーションや発信によって愛着を持っているファンの信頼を失うリスクも軽視できません。一度失った信頼は取り戻すのが難しく、企業のブランドイメージ全体に影響を及ぼす恐れもあるため、発信前の確認体制やガイドラインの整備が不可欠です。
IPビジネスの成功事例
IPビジネスの成功事例
IPビジネスで成果を上げるためには、単なる収益化モデルの設計だけでなく、ブランド戦略・顧客体験の創出・コンテンツ設計など総合的なアプローチが欠かせません。以下では、実際にIPビジネスで高い成果を上げている企業の成功事例を紹介します。
成功事例①ポケットモンスター
「ポケットモンスター(ポケモン)」は、1996年にゲーム「ポケットモンスター 赤・緑」として誕生して以来、アニメ・映画・カードゲーム・グッズ・アプリ・テーマパークなど多方面に展開されている代表的なメディアミックスIPです。
2025年3月時点でゲームの出荷本数は全世界で4.89億本を超え、トレーディングカードの製造枚数は累計750億枚を突破しています。世界的に見ても高い収益をあげており、グッズやライセンス商品の販売による安定的な収益構造を確立しています。
また、「ポケモンワールドチャンピオンシップス」や「Pokémon GO Fest」などのイベントを通じてリアルとデジタルの両面でファンとの接点を築いており、長期にわたるファンエンゲージメントの構築に成功している事例です。
成功事例②サンリオ
サンリオは、「ハローキティ」や「シナモロール」など多くの人気キャラクターを軸に物販・ライセンス供与・エンタメ・テーマパーク事業を幅広く展開しています。キャラクターライセンスの提供は国内外で活発に行われており、安定成長を支える主要事業のひとつです。
公式テーマパーク「サンリオピューロランド」では、キャラクターの世界観を体感できる場を提供しており、リアルな体験を通じてファンエンゲージメントの向上にも成功しています。
成功事例③ウマ娘 プリティーダービー
「ウマ娘 プリティーダービー」はCygamesが提供する競走馬を擬人化したメディアミックスIPです。ゲームを中心にアニメ・音楽ライブ・イベントなど複数のメディアを組み合わせて展開し人気を集めています。
キャラクターごとの細やかなストーリーとファン参加型のリアルイベントが連動することで、熱量の高いコミュニティが形成されています。
2024年5月に公開された劇場版アニメは、公開から1ヶ月足らずで興行収入10億円を突破しました。2025年6月には英語版のサービスもリリースされ、グローバル展開も進んでいます。
IPビジネスを成功に導くポイント
IPビジネスを成功に導くポイント
IPビジネスを行う上で重要なポイントは以下の2つです。
- ブランドとの親和性を見極める
- ファンが求める価値体験を設計する
それぞれ詳しく解説します。
ブランドとの親和性を見極める
IPを活用する際には、知名度や話題性だけで判断するのではなくブランドや商品との相性を慎重に見極めることが重要です。世界観やターゲット層が噛み合わないコラボレーションはかえってファンの信頼を損なう結果につながりかねません。
両者に共通点があればあるほど違和感のない形でコラボレーションが成立し、高い相乗効果が期待できます。例えば、上品さを重視した女性向けの商品であれば、落ち着いた雰囲気のキャラクターを選ぶことでブランドの魅力がより自然に伝わるでしょう。
ファンが求める価値体験を提供する
IPビジネスの中心には、IPを愛するファンの存在があります。ただキャラクターを使うだけではファンの心を動かすことはできません。そのIPならではの世界観やストーリーを活かし、ファンに特別な体験を提供することが成功のポイントです。
限定グッズの販売・購入特典の付与・ファン参加型のイベント企画などは、体験価値を高める代表的な手法です。また、SNSで共有したくなる演出や推し活との相性を意識したアイテムづくりも話題性と満足度の両立につながります。
ファンの視点に立ち、求められる「熱量」や「こだわり」に応えられる設計をすることで、よりファンエンゲージメントを高められます。
IPビジネスを拡大したいなら「推し活EXPO」へ
IPビジネスを拡大したいなら「推し活EXPO」へ
IPビジネスの拡大を目指したいと考えている方は、ぜひ「推し活EXPO」への来場をご検討ください。
「推し活EXPO」は、アニメ・キャラクター・アイドル・2.5次元コンテンツなどの「推し活」をテーマにした商品やサービスが一堂に会する専門展示会です。
OEMメーカー・グッズ企画会社・ライセンス事業者・マーケティング支援企業などIPビジネスに関わる幅広い業種が出展する予定で、推し活ビジネスの最新トレンドを把握する場としておすすめです。
来場登録をすれば無料で入場でき、ブースを巡りながら自社のIP活用に役立つヒントやパートナー候補を見つけられます。
すでに推し活関連の商品やサービスを展開している企業であれば出展側としての参加も可能です。会場には大手小売やエンタメ業界のバイヤーも多数来場予定で、新たな見込み客との出会いやその場での商談・受注のチャンスが広がります。
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IPビジネスで新たな収益基盤を構築しよう
IPビジネスで新たな収益基盤を構築しよう
IPビジネスは、キャラクターやコンテンツなどの知的財産を活用し、ブランド価値の向上や多角的な収益化を図るビジネス戦略です。SNSや推し活文化の拡大によりIPの持つストーリーや世界観に価値を見出す消費者が増えており、企業にとって新たな成長機会をもたらしています。
近年では、ライブ用グッズ・期間限定のコラボ商品・体験型イベントなど推し活を起点としたIP関連商材が多くの注目を集め、市場はさらに拡大傾向にあります。
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※推し活EXPOはライフスタイルWeekの構成展です。
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